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国試過去問クイズ

第115回 国家試験 過去問

領域A
理 工
115 C-45
正答率:62.3%
近5年のピックアップ問題
酸化亜鉛を含むのはどれか。2つ選べ。
  • a. 水硬性仮封材
  • b. バーニッシュ
  • c. テンポラリーストッピング
  • d. グラスアイオノマーセメント
  • e. メチルメタクリレート系常温重合型仮封材
解答する
解き方
設問は各種仮封材の組成についてである。とくにセメント系仮封材は歯科用セメントなどと関連付けて理解する。
解 答
a、c(正答率:62.3%)
a:73.0% b:17.5% c:86.0% d:12.4% e:9.7%
解 説
○ a:
水硬性仮封材は、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸亜鉛などに酢酸ビニルやラノリン、あるいはエタノールなどが配合されたパテ状の仮封材で、唾液中の水分によって石膏が水和して硬化する材料である。
× b:
バーニッシュは、ニトロセルロースなどの合成高分子やサンダラックなどの天然樹脂を、アルコールやアセトンなどに溶解したものである。揮発成分が蒸散して薄層を形成するが、歯質との接着性はなく、また機械的性質がきわめて小さい。
○ c:
テンポラリーストッピングはガッタパーチャを主成分とし、酸化亜鉛、蜜ろう、パラフィンなどを配合した熱可塑性材料である。50〜70℃に加熱軟化して用いる。断熱性は高いが強さが小さく、密封性に劣る。
× d:
グラスアイオノマーセメントはアルミノシリケートガラスなどを含む粉末とポリアクリル酸水溶液を混和して得られたものである。酸化亜鉛は含まれていない。
× e:
メチルメタクリレート系常温重合型仮封材の組成は常温重合レジン(PMMA粉末+MMA)に準ずる。酸化亜鉛は含まれていない。
解説動画
ここ大事
仮封材の種類と特徴
  • ・テンポラリーストッピング
    熱可塑性を有し除去は容易であるが、封鎖性に劣る。そのため、後述する酸化亜鉛ユージノールとの二重仮封に用いられる。
  • ・バーニッシュ
    揮発成分の気化により樹脂の薄膜を形成する。機械的性質・封鎖性は劣り、ガスや水分を透過させるため根管からの排膿などがある場合に、綿球などに浸し静置して使用する。
  • ・酸化亜鉛ユージノールセメント
    他のセメント系仮封材と比較して圧縮強さが小さい。窩壁に密着して封鎖性に優れる。生活歯の場合は歯髄鎮静作用が期待できる。
  • ・ポリカルボキシレートセメント、グラスアイオノマーセメント
    歯質接着性があり封鎖性に優れるが、とくにグラスアイオノマーセメントは除去が困難である。漏洩させてはならない薬物を貼薬するときなどに用いられる。
  • ・水硬性仮封材
    硫酸カルシウムなどを含むパテ状で、唾液などの水分により硬化する。操作性に優れ短期的な封鎖性は良好であるが、強度が低く崩壊しやすい。
  • ・レジン系仮封材
    化学重合型と光重合型があり製品によりさまざまであるが、セメント系仮封材と比較して封鎖性が劣るため、根管治療時にはあまり用いられない。また、歯質との接着は行わないため、除去が容易である。
プラスα

酸化亜鉛は亜鉛の酸化物(ZnO)であり、亜鉛華・亜鉛白ともよばれる白色の粉末である。水に不溶で、酸あるいはアルカリ(塩基)と反応する。弱い収斂作用(アストリンゼント効果:タンパク質を変性させ組織を縮める作用で、止血・鎮痛・防腐などに効果がある)を有している。リン酸亜鉛セメント、カルボキシレートセメント、酸化亜鉛ユージノールセメント、酸化亜鉛ユージノール印象材、EBA セメント、根管充塡材などのさまざまな歯科材料に含まれている。

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