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国試過去問クイズ

第114回 国家試験 過去問

領域C
冠 橋
114 D-59
正答率:63.7%
★★☆ MUST!
補綴装置の写真(別冊No.117 p58)を別に示す。レジンセメントを用いて装着する際に、装置内面にシラン処理が必要なのはどれか。2つ選べ。
  • a. ア
  • b. イ
  • c. ウ
  • d. エ
  • e. オ
解答する
アクセス
シランカップリング処理が有用な材料を選択する問題である。「白い材料ならシランカップリング処理は全部必要」と考えていては大間違いである。シランカップリング処理はシリカ系のセラミックスに含まれるSiO2と有機化合物であるレジンをつなぐ処置であるということを念頭に置いて画像をみていただきたい。
解 説
× a:
画像からはとてもわかりにくいが、クラウン内面の色と咬合面の色が異なる。アは色調からクラウン内面はジルコニア、咬合面は歯科用陶材と推察されるため、ポーセレンレイヤリングジルコニアクラウンであると考えられる。ジルコニアにはSiO2は含まれないため、シランカップリング処理は有効ではない。
○ b:
イは咬合面とクラウン内面の色調が同じであり、その色調はアのクラウンとは異なるためCAD/CAMレジンクラウンと考えられる。CAD/CAMクラウンはコンポジットレジンブロックから削り出されており、コンポジットレジンはセラミックフィラーを含有している。シランカップリング剤がコンポジットレジン中のセラミックフィラーのSiO2と反応し、接着力を高める。
○ c:
ウはポーセレンラミネートべニアである。シリカ系セラミックスで製作されており、接着の際のシランカップリング処理は必須である。
× d、e:
エ、オは陶材焼付ブリッジである。陶材焼付ブリッジは、メタルフレームに陶材を築盛して製作する。装置内面は金属であるため、シランカップリング処理は有効ではない。
解説動画
Point&Advice

シランカップリングはシリカ系セラミックスとレジンの間で効果を発揮する。したがってジルコニアコーピングに対しては無効でありまた、陶材焼付冠も支台歯と接する部分はメタルコーピングであることからシランカップリングは無効である。

シリカ系セラミックス、非シリカ系セラミックスの表面処理

歯冠補綴装置に用いられるセラミックスはシリカ系セラミックス(長石系陶材、リューサイト強化型ガラス、二ケイ酸リチウムガラス)と非シリカ系セラミックス(ジルコニア、アルミナ)がある。どちらのセラミックスもサンドブラスト処理は有効であるが、フッ化水素酸を用いた酸処理はシリカ系セラミックスのみ有効である。また、シリカ系セラミックスにはシランカップリング処理が有効である。
非シリカ系セラミックスにはシランカップリング処理は無効であり、リン酸エステル系のMDPモノマーでの表面処理が有効である。また、シリカ膜でコーティングしたアルミナ粒子を吹き付けてアルミナやジルコニアの内面にシリカ膜を形成するトライボケミカル処理を行ったうえでシランカップリング処理を行う方法もある。
シランカップリング処理については111C-64(268頁)のポイント&アドバイスを参照のこと。

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