座談会メンバー
東京歯科大学卒
日本歯科大学付属病院 臨床研修医
坂入 大介 先生
神奈川歯科大学卒
日本歯科大学付属病院 臨床研修医
岡田 美里 先生
日本大学松戸歯学部卒
日本歯科大学付属病院 臨床研修医
篠田 拓馬 先生
私は父が歯科医師で、幼い頃から父の働く姿を見て育ちました。自分が受験期を迎えて何をしたいのか。どんな職業に付きたいのか考えた時に、真っ先に歯科医師として働く父の姿が浮かびました。
私も同じ道に入りたい、父と一緒に仕事がしたいと思い、歯科医師を目指しました。法律系にも興味を持っていましたが、最終的に親と同じ道に入りたいと思いました。
うちの親は歯科医師ではありませんでしたが、叔父が歯科医師でした。
直接のキッカケは高校時代の担任に〈お前は手先が器用だから 時計の細工師か歯医者になれ〉って言われて、改めて自分の叔父の仕事について考えました。色々叔父に聞いてみたりして、時計の細工師ではなく、歯科医師を目指すことにしました。
父親も母親も歯科医師です。開業しているので、自分がそれを継いで好きなこともやりたいと考えました。そのために、まずは研修医まで終わらせようと思いました。そうしないと管理開設者になれず実家を継ぐことができないので…
それで、言っちゃう?ディズニーランドに一番近い歯科大学を選ばせていただきました。高校生の頃から、ずっとディズニーランドが大好きでした。好き過ぎて、受験となった時、一番近いとこから順番に受けるよねって話になって(笑)大学入学した年は年間200回くらい行きました。
アーチェリー部の他に、バイトは色々やっていましたが、結局、歯科バイトで落ち着きました。塾の講師もやりましたし、夜中の棚卸しのバイトもやりました。
部活は特にやっていませんでしたが、私もそれなりにアクティブにしていましたね。塾の講師や、チューターの仕事もさせていただいて、ファッション系雑誌の仕事に関わっていたこともあります。
ディズニーで働いて、多くのことを学びました。クレーム対応の方法とか、色々な教育とかも受けました。
他には、塾の講師とかもやったので、プレゼンの経験も積むことができました。また、学園祭の実行委員もやっていました。ディズニーで知り合った企画会社の社長と意気投合して、その企画会社のディレクターとして活動もしていました。
元々、人と接するのは好きでした。歯科医師は自分の手を動かしながら、人とも接していけます。歯科医師なら、自分を生かせるのかなって考えましたね。
細かいことが好きですね。なんだったら時計を自分で直しますね。裏開けて電池交換くらいなら、自分でやっちゃいます。
私も好きですね。細かい作業とか、そんなにイライラせずに黙々と続けていられます。
でも、結構細かいことが苦手な人もいますよ。あまりにも苦手すぎて嫌になった子は、大学で研究に進むこともあります。
学者の道ね。
そう。臨床系でも研究職とかになる人もいるし、あと研究だけど、法律関係に進んでいる人もいます。
お役所、厚労省もあるし。
大学の社会歯科学とか、法歯学とかに行く人も結構いますよ。
資格職なので、それを使って何をしたいかが大切だと思います。臨床だけじゃなくて、研究分野とか、あんまり手先を動かさない科もありますし、結構幅広いです。
1年生の時は正直、勉強した記憶はない。
テスト前くらいかな。
確かに。1年生はあまり勉強していない。
1年生は歯科的な授業があまり無いので、国が定めている基礎的な一般教養が中心です。
1年生が緩かったので、2年生になったときに、ギャップに戸惑う人が多かったですね。
国家試験に直結する基礎科目が入ってきます。生理学だったり組織学だったり、一歩踏み込んだ医学的な要素が多い科目が入ってくるので、1年生とのギャップが大きい。
2年生は本当に暗記系が多い。理解して暗記ですね。
高校の時勉強していたのに、大学で1年間遊んじゃって、勉強する癖が一気に抜けちゃう。そこに2年生でドーンって来るから、2年生は大変ですね。
私は、そんなに日頃からガリガリやるタイプじゃありませんでした。どこが頻出なのか、どうすれば最短で点数が伸びるのか、とにかく効率重視でそういうことばっかり考えていました。
上手くまとめたノートを、いかに吸収するか。結構ノートのコピーが回っていたりするよね。
私、他人の字が理解できなくて一切見てなかった(笑)
仲間のノート、集めていましたね。
集めてなくても、ノートが回ってくる。
学年の人数が少ないので、その中で留年者を出さないように、みんなでノートを回して、回して。
仲が良かったんだね。私、まとめノートとか面倒くさくて作らない。
一番頭が良い奴だ。頭が良くて、放おっておいても、勝手に自分で受かっていくタイプ。
あんまりコツコツできないので、僕は短期集中型だった。日頃は色んなものを集めましたね。過去問とか。
3年生で実習が出てきて、科目もどんどん歯科に寄ってきます。結構、歯医者らしい実習も増えてきて、手を動かすことが増えます。
すると(机で)勉強をする気分が起きなくなる。そこで実習だけになってしまう人と、(勉強との)バランスをとれる人とに別れます
臨床系の実習が一気に入ってきて、結構苦労しましたね。科目も臨床寄りになるので、単語の意味を理解することでさえ、時間がかかりました。
今は当たり前だけど、「レジンとはなんぞや?」というところから。聞きなじみのない単語が多かったので、試験前はちゃんと勉強していました。夏休み冬休みに追再試期間があるので、絶対そんなのいやだって。
逆に、いいな。それ
夏休み削られるんだよ。絶対に嫌じゃない?
うち(東京歯科大学)は、前期試験の期間は夏休みが終わった後の1週目でした。夏休みに勉強させて、その後に試験ですよ。
普通の歯学部じゃない大学って、夏休みの前に試験ですよね。夏休みにしっかり勉強させるためのスケジュールでした。
まだ、そこでスケジュール組めるからいいじゃん。
4年生はちょっと実習が減りますね。学校によって変わらないとこもあると思いますけど、うち(日本大学松戸歯学部)は実習が減りました。その代わりにCBTがありました。CBTって国試の小さい版みたいなもので、4年生までに歯医者になる知識を入れておかないといけない。
4年生は、今までの学習内容をしっかり理解しておかないといけません。勉強を一番するべきところなんですけど、うち(日本大学松戸歯学部)は実習が露骨に減ったので〈わぁ実習が減った〉って遊ぶ人が多かったですね。結果、留年が増える。
僕はディズニーランドに行き過ぎて、4年生を2回しています(笑)。うちの大学(東京歯科大学)では、CBTは全員受かるのが前提なので、総合試験のほうが難しいです。
4年生から歯科じゃない医科の科目がたくさん出てきます。それも全部ペーパー試験をやる。前期試験だけでも18科目とか受けて一年間で18科目、15科目、総合試験、CBTみたいな。
でも、4年生はCBTに受かれば上がれる。
前期で一通り終わって、10月からCBTを見据えた学習と実習、試験がありました。
5年生の登院実習に向けて手技ができるかという試験があります。それに向けて4年生の後期はひたすら練習していましたね。
5年生って、勉強しないです。できないです。
登院実習で病院に行くので、特に基礎科目の勉強ができないんですよ。疲れちゃって。
5年生の登院実習って、それまでに歯科のバイトとか、実家の歯医者さん手伝ったことあるとか、そういうのをしたことがない人は、疲れちゃって前期は勉強どころじゃなくなる。
アシストの作法や、バキュームの持ち方、1日中立っているとか、慣れていないと大変です。それで先輩のススメもあり、3年の時に歯科バイトをしました。
私は、歯科バイトは一回も経験していなかった。どうせ歯医者になるんだから、今は出来ない事やろうと、浅草で人力車引っ張っていたこともあった。
ある意味正しい(笑)。
私も3、4年生の臨床系の実習が始まってから、父の病院でやっていましたね。
やっておいたら楽です。5年のスタート変わりますね。
これだけは言っておきたい。5年のうちに実践(国家試験の過去問)をやっておけ。
学校によってはやっているけど、やらせていない学校は結構ある。5年のうちに過去問をやるかやらないかが、すごく大きい。
私の神奈川歯科大学は、その点すごく恵まれていました。それなりに過去問をやった状態で6年生に行けたので、それはよかったね。
やっておいたほうがいい。
僕、過去問を軽視していて、危なかったんですよ。勝負は5年で始まっています。
5年でいかに早くスタートダッシュを切るかが大切です。あとは、6年生の秋冬頃に集中力を切らせない、メンタルを強く保てるか。
本格的に(国家試験の)勉強が始まるって感じで。
私は5年の最後だったな。
私もそうかな。
そうでしたね。
机上の知識とあと、臨床実習を5年生にいかにリンクさせるかってところが、6年生を・・・
左右するよね。