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国試過去問クイズ

第114回 国家試験 過去問

領域A
理 工
114 D-70
正答率:51.1%
★★☆ MUST!
溶融合金の過熱が原因で生じるのはどれか。2つ選べ。
  • a. 引け巣
  • b. 鋳肌荒れ
  • c. 入れ干し
  • d. 背圧多孔
  • e. ブローホール
解答する
アクセス
鋳造欠陥はさまざまな原因によって生じる。なぜ起こるのか、その成因を把握することによって、どのような形でどの部分に発生するかを因果関係として理解することが鋳造欠陥の問題を攻略する鍵である。
解 説
× a:
引け巣は合金の凝固収縮により生じる。最終凝固部において空洞や表面の凹みになる。
○ b:
鋳肌荒れは鋳造体に表面荒れができる鋳造欠陥である。溶融合金の過熱、鋳型の過熱や長時間加熱、埋没材の混水比が大きいことなどによって生じた鋳型表面の粗造が成因となる。
× c:
入れ干しは溶融させる金属の使用量不足により鋳造体が不完全になる鋳造欠陥である。
× d:
背圧多孔は埋没材の通気性が悪い場合に生じる。リン酸塩系埋没材などの通気性不良の埋没材を使用する場合は、防止策としてエアベントを設置する。
○ e:
ブローホールは溶融合金の過熱に伴い発生したガスが金属に吸蔵され、鋳造体内部の気泡となって空洞ができる鋳造欠陥である。
解説動画
Point&Advice
鋳造欠陥とその成因
鋳造欠陥 成因
引け巣(鋳巣) 最終凝固部(スプルー直下にできやすい)における凝固収縮が集まってできる凹みや孔
ブローホール(鋳巣) 溶融合金の過熱(オーバーヒート)により発生したガスが金属に吸蔵されて鋳造体の気泡になり空洞ができる
鋳バリ 鋳型の亀裂に金属が流れ込んでできる鋳造体表面のでっぱり
鋳肌荒れ 高温の溶湯や埋没材の混水比が大きいことにより、鋳型の表面が粗造になることに起因する鋳造体の表面荒れ
湯回り不良 鋳型内で溶湯が適切に流れていないこと(なめられや湯境い)の総称
なめられ 埋没材の通気性不足や鋳造圧の不足などの原因により、鋳造体の細かい部分や薄い部分に完全に鋳込まれなかった湯回り不良
湯境い 複数のスプルーから流れ込んだ金属が、合流した部位で完全に混ざり合う前に凝固してできる境目
突起 埋没材の気泡による鋳造体のでっぱり
ホットスポット スプルー直下の局所的な温度上昇により、巣(凹み)や肌荒れが生じる
背圧多孔(バックプレッシャー) 埋没材の通気性が低いことにより、鋳型内の空気を排出しきれず表面の凹みなど鋳造体が不完全になる
すくわれ 溶融金属や鋳型の過熱により鋳型の一部が破壊され生じる
鋳損じ さまざまな原因により、金属が鋳型に流れ込まなかった鋳造欠陥の総称
入れ干し 溶融させる金属の使用量不足が原因で鋳造体が不完全になる
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